豚と猪の違いは?豚が生まれた歴史をわかりやすく解説!

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ある夏の晩の話です。

夜道を車で歩いていると、道路の向こうの方で何やらゴゾゴゾしているものが見えます。車を減速させながら近づいてみると、なんと猪の親子でした。たしか親が1頭と子供が4頭くらいだったと思います。

車も少ない山道でしたし、猪もライトに怖がる事なく悠々自適に歩いていたので、猪の親子の眼の前で車を止め、観察しました。ウリボーたちがなんとも可愛らしかったですね!

イメージとしては、どこちらの動画の様な感じでした!

その様子を眺めているうちに、なんだか豚さんの親子みたいに可愛らしくみえてきて、ふと思いました。

「豚と猪って似ている?」

いつもの好奇心に火がついて、いろいろ調べてみると、非常に面白い関係だということがわかりました!ということで今回は、豚と猪の違いについてわかりやすく解説していきます(^^)

豚と猪は、もとは同じ動物?

私は今回調べてみて初めて知ったのですが、豚と猪はもともとは同じ動物なのです!

豚は、哺乳綱鯨偶蹄目イノシシ科の動物でして、この分類からも猪に非常に近い動物だということが伺えますよね。

ではなぜ、豚と猪という2つの動物ができたのかというと、人が猪を家畜化した動物が豚なんですね(^o^)起源についての詳しいことは後ほどお話しますが、家畜化するとまったく別の動物が出来上がってしまうというのは、興味深いところですよね。

では、人の家畜として誕生した豚と野生の猪では何が違うのか、いっしょに見ていきましょう!

豚と猪の違いは?

豚と猪はパット見でも明らかな違いはありますよね。そんなわかりやすい違いから、外見ではわからない違いまで踏み込んでご紹介します!

体の色の違い

まずはわかりやすい色の違いです。

猪は体毛が黒もしくは茶色、褐色といった、どちらかといえば地味な色をしています。これは自然界で敵に襲われないために、保護色としての役割があると言われています!

これに対して豚は黒、白、赤、灰色、ピンクといったさまざまな色の個体がありますよね。それに、お腹から上は黒で、下が白といった混合色のものもいます。なぜ家畜になると色が多彩になるかということはわかっていないようですが、天敵からは人間が守ってくれるため、目立つ色でも淘汰されなかったのだと思います(^^)

体型の違い

写真などで見比べてみるとわかりますが、猪より豚のほうが前足から後ろ足までの胴が長いです。この理由は、猪を家畜化する過程でよりいっぱい肉が取れるように品種改良されたからです。

野生動物は敵に襲われたときや逃げる際に、俊敏に動かなければならないので、胴が長いと不便ですよね。家畜である豚は、何からも逃げる必要がないので、胴が長かろうが、足が太かろうが全く関係ありませんね(^^)

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牙の違い

猪は大きな牙がありますよね!もちろんこの牙は、敵から身を守るための道具なので必要なのですが、豚はこの牙が退化して小さくなってしまっています。とはいえ、豚にも牙は残っているので、気を抜くと襲われたりします^^;

豚が牙で襲う行為を「しゃくり」といいますが、昔は日本でも年に数人はこのしゃくりで命を落としていたそうですよ!

豚に襲われるというのは想像しにくいですが、この辺は猪だったころの本能が残っているんでしょうね。

成長速度の違い

豚と猪では成長のスピードにも違いがあります!

イノシシは大人(体重が90kg程度)になるまでにおおよそ1年ほどかかると言われています。それに比べて豚は、なんと半年で大人になってしまします

食用として飼育するなら、早く大人になったほうがお肉が取れるので良いですよね?

人が猪を家畜化する上で品種改良してきた結果とはいえ、2倍のスピードで成長するとは驚きです!

繁殖能力の違い

繁殖に関しても豚は猪よりも家畜っぽい進化をしています。

猪は一年に一回、平均で5頭の子供を生むのに対して、豚は年に2.5回、平均で10頭もの子供を生みます!年間で数えると5頭と25頭なので、豚のほうが5倍も繁殖能力が高いことになります!

しかも、猪は生まれてから2年目で初めて出産できるのに対し、豚は1年目から出産ができます。

この圧倒的な違いを見ると、豚は食用の家畜として、繁殖能力が最大になるように品種改良されて来ている、ということがよくわかりますね。

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猪はいつから豚になったのか?

猪はいつ頃から家畜の豚として、人間に飼われているのでしょうか?

豚の歴史はかなり古くて、今現在最古の遺跡として、1万年前に中国で豚が飼われていた形跡が見つかっています。

その他にも中央アジアで紀元前4000年前、エジプトも紀元前4000年前、ヨーロッパでも紀元前2400年前に、それぞれ豚が飼われていた名残が見つかっているんですね(^^)

こう見ると、豚は人類が文明を作る以前から共存してきた共同体のような関係だったんですね!今美味しく豚肉が食べられるのも、先人たちの努力が受け継がれてきた結果だと思うと、ありがたい限りです。

なぜ猪を家畜化したのか?

ではなぜ昔の人たちは、猪を家畜として飼うようになったのでしょう?

人間はもともとは狩猟民族で、野生のシカや猪などの獣を獲って食料としていました。獲物の中でも猪の肉は美味しかったらしく、積極的に狩られていたみたいですね!

人間の人口が多くなってくると、野生の猪の数が減少してきたために、安定した食料確保のために家畜にしたというのが一説です。

それに猪は下記のように、家畜にしやすい条件も整っていたので、難しい技術がなくても容易に飼うことができたと言われています。

  • 人の食べ残しが食料になった
  • 人の排泄物の処理ができる
  • 群れるため、まとめて管理できる
  • 繁殖条件がゆるく、勝手に繁殖する

猪はどう思っていたかわかりませんが、人間からするととても扱いやすい動物だったわけです。そんな猪が何千年もかけて豚さんになったと思うと、愛らしく思えてきますね(^^)

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豚を野生に帰すと猪になる?

「猪が人に飼われて豚になるなら、野生に返した豚は猪に戻るのか?」

というのは、私がふと思った素朴な疑問です。

これを調べると、野に放った豚は猪と交配して、数世代後にはほとんど猪に戻ってしまうことがわかっているようです。ある研究によると、野生の猪の85%が豚のDNAが入った猪だと言われています。

確かに、「飼っていた豚が逃げたして野生化した」といった話はどこにでもありそうですし、数千年前から家畜として飼われていたなら十分ありえると思いますね!

ちなみに、猪と豚の間に生まれた動物は「イノブタ」と呼ばれるようです(^o^)

豚に命を救われる日が来る?

何千年も人とともに歩んできた豚ですが、近い将来私達人間の命を助けてくれる存在になるかもしれません!

実は豚は体重や皮膚、臓器の大きさなどが人間に最も近い動物と言われています。そのため、「異種移植」という別の種の臓器を人間に移植する技術において、最も注目されているのが豚なんです。

私はちょっと想像がつかないので、「そんなことして大丈夫なの?」と不安になってしまいますが、ニュージーランドやロシアではすでに200件以上の移植手術が行われているようです!

日本ではまだ臨床研究前の段階ですが、この技術が確立すれば末期がんなどの不治の病を克服できるかもしれませんね。

本当に豚さんにはお世話になってばかりです!感謝、感謝。


豚と猪の違いはご理解いただけましたか?

私は今回調べてみて初めて、猪を家畜化したのが豚であり、人間と1万年前から共栄してきた、という事実を知って、豚や猪がより身近な存在に感じました(^^)

一部の宗教では豚を食べることは禁止されてはいますが、それ以外の人にとっては豚は完全に生活に根付いた存在ですよね。

そんな長い歴史を感じつつ、今日は豚しゃぶを食べようと思います^_^

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