染料と顔料の違いと特徴!油性、水性と関係あるの?

スポンサーリンク

年末に近くなってくると、年賀状のために新しくインクジェットプリンターを購入しようとする人も増えて来ますよね!低価格プリンターだとしても、ひと昔に比べて高機能な商品が増えて、消費者としては嬉しい限りです(^ ^)

そんなこんなで家電量販店でプリンターをみてみると、キャッチフレーズに「顔料インク搭載」を大々的に掲げている商品も珍しくなくなりました。

プリンターメーカーさんは「顔料インクを使っているから色がいい」と自信満々ですが、そもそも顔料とはどういうものなのか、普通の染料インクとは何が違うのか、を多くの人はよくわかっていないのではないでしょうか?

お恥ずかしい話ですが、私は昔、顔料=油性、染料=水性というよくわからない理解をしていました(^^;ここいらで一つ、顔料と染料の正しい違いと油性、水性との関係をしっかり解説してみようと思います。

あなたがもし、同じ疑問を持っているならば、ぜひ参考にしてみてください(^ ^)

染料と顔料の違いとは?

染料と顔料の違いについて、まずはざっくりまとめてみたので、下の表をご覧ください(^ ^)

染料 顔料
見分け方 水などに溶ける 水などに溶けない
歴史 数千年前から 数万年前から
特徴 布や紙に染み込む 書かれた物の上にのる
色味 発色が良い 単純な色が多い
耐久性 弱い 強い

こう比較してみると、むしろ正反対なのでは?というほど特徴が異なりますよね!では染料と顔料の違いについて、それぞれの特徴をより詳しく解説していきますね(^ ^)

染料とは?

染料を辞書で調べると、

色をもつ有機化合物で、水や有機溶媒に溶かして、繊維製品や皮革・紙などを染色する物質。天然染料と合成染料に分けられる。

参考:大辞林 第3版

https://kotobank.jp/word/%E6%9F%93%E6%96%99-89035

と出て来ます。

つまり、もう少しわかりやすくいうと、染料とは、水などの液体に溶ける有色の物質ということで良いと思います。

ちなみに、ここで言う「溶ける」と言うのは、化学的に液体に溶解していると言う意味で、完全に液体と一体化しています(^ ^)

そのため、布なら繊維の奥まで染み込んで染め上げることができたり、ペンなどのインクなら、雑味なくサラサラの書き味を実現することができますし、透明感のある発色を作ることができるんです!

数千年前から藍や茜などの植物を原料とした染料が使われていて、なかなかの歴史がありますね!

ただし、液体に溶けやすい性質なので、当たり前ですが、水などのがつくと色が落ちやすいです^^;藍で染めたジーパンが洗濯すると色落ちするのは、このためです。

それに、化学物質なので、熱や光で劣化しやすいという弱点もあります。

スポンサーリンク

顔料とは?

今度は顔料です!辞書には、

水や油に溶けない白または有色の不透明な粉末。分散状態で物を着色する。

参考:デジタル大辞林

https://kotobank.jp/word/%E9%A1%94%E6%96%99-49763

とあります。

染料が液体に溶けたのに対して、顔料は液体には溶けません。つまり、顔料インクみたいに一見溶けているみたいに見えるものも、実は超細かい粉末が液体に分散しているだけなんですね(^ ^)

なので、染料のように布や紙に染み込んで色をつけるのではなく、顔料が紙などの表面に付くことで色を出しています

それに顔料は、何も紙だけではなく、化粧品の色付けや食品添加物にも使われているんです!こう聞くと顔料がかなり短に感じられますよね?

そしてこの顔料、実は染料よりも長い歴史があるんです!人は数万年前から、顔料を使っていた跡が残っているんですね。それが、壁画です。

こんなやつですね!

泥や鉱物を砕いて絵の具として使っていたと思われていて、これが元祖顔料というわけです(^ ^)

そして、もうお分かりかと思いますが、顔料は耐久性が非常に高いです。なんて言ったって、万単位の年月が経過した壁画でさえ残っているんですから!

液体に溶けないので腐食されにくいというのが、その理由です!

ただし、顔料では透明感のある色合いは難しく、黒やグレー、褐色など、どちらかといえば単純な色がほとんどです。なので珍しい色の顔料は昔から高値で取引されていたみたいです。(ラピスラズリから取れる、ウルトラマリンなど)

スポンサーリンク

水性、油性とは関係あるの?

私はなぜか昔は、染料≒水性、顔料≒油性という認識がありまして、

「染料は水性だから落ちやすいんだ!」

「顔料は油性だから落ちにくいだろう!」

と勝手に思い込んでいました^^;

確かに、染料は液体には弱いですし、顔料が落ちにくのは事実なので、そう思い込んでいたのだと思います。

しかし、「染料、顔料」と「水性、油性」は全く別物です!

その証拠に、世の中には「油性染料」「油性顔料」「水性染料」「水性顔料」といった組み合わせの材料が実際に売られているんです(^ ^)

これらを踏まえて、サクッと解説しちゃいますね!

スポンサーリンク

水性の染料、顔料

そもそも、水性のペンやインクがどういうものかというと、「水を媒体にして、対象物に色素をつける」ものです!

先ほどの章で説明した通り、染料は水に溶け、顔料は水の中を浮いている状態という違いはありますが、等しく水を使っているから、水性染料、水性顔料なんですね!

でも、水性染料や水性顔料と言われても、どういうものかイメージが湧きませんよね?

具体的にいうと、水性染料はこんな商品で、

水性顔料はこんな商品です。

ポスカは小学校の時によく使っていましたが、これが水性顔料のペンだとは知りませんでした^^;

水性の特徴は、詰まりにくいことと、体に優しいという点ですね!

もし目詰まりをおこしても、水で濡らせば解消しますし(万年筆の詰まりは水に浸します)、油性のペンのように有機溶剤も使っていないので安心というわけです。

小学生に使わせるには、もってこいというわけですね!ちゃんと考えられてチョイスされていた事に、今更ながら驚きです^ ^

油性の染料、顔料

さて、次は油性です!水性に対して油性という事なので、もうお分かりの人も多いかと思います。

油性は「有機溶剤を媒体として、対象物に色素をつける」ものです!

油性染料で有名なのはこの商品で、

油性顔料で身近なアイテムといえばこちらですね!

油性商品の利点は、何と言っても耐水性速乾性です!

油性のインクは油には馴染みやすいですが、水にはあまり馴染みません。ということは、水に対してめっぽう強いということです!油性が油性であるゆえんですね(^ ^)

それに液体は有機溶剤なので、速攻で蒸発してすぐに乾燥してしまいます!これも水性には無い魅力ですね。

スポンサーリンク

サクッとまとめると・・

水性 油性
色素の媒体 有機溶剤
特徴 安全性高い、詰まりにくい 耐水性、速乾性高い

ということで、水性と油性は色素の媒体が水なのか有機溶剤なのかの違いなので、染料、顔料とは関係ありません!

私も今後、混同しないように注意します(^^;


今回記事を書いて面白いなぁと思ったことは、染料も顔料も大昔から使われていたという事実です(^ ^)

私たちの「記録する」という文化や歴史の発展の隣には、「染料くん」や「顔料ちゃん」がいたんだと思うと、歴史のロマンを感じます。←多分私だけだと思いますが(笑)

いずれにしても、今後もあらゆる場面でお世話になっていくと思うので、「染料くん」「顔料ちゃん」、よろしくどうぞm(__)m

コメント