あなたはボジョレー・ヌーボーを飲んだことがありますか?
日本では毎年
「ボジョレー・ヌーボー解禁!」
といったニュースやお店の垂れ幕が増え、まるで祭りのような騒ぎになりますよね。
私もボジョレー・ヌーボーは何回か飲んだことがありますが、
とてもさっぱりしていて飲みやすい印象です!
ただ、ここまで大盛り上がりをして、ボジョレー・ヌーボーが飲まれている国は
日本しかない事を知っていますか?
ちょっと驚きですよね!
そこで今回は、ボジョレー・ヌーボーとは一体何者なのか、そしてなぜ日本ではここまで人気なのかを解説していきます。
ボジョレー・ヌーボーとは
毎年11月になるとボジョレー・ヌーボーの名前があちらこちらから飛び交います。
しかしながら、
「ボジョレー・ヌーボーとはどんなお酒ですか?」
と聞かれると、以外に知らないことが多いと思います。
そもそもボジョレー・ヌーボーの”ボジョレー”はフランスのブルゴーニュ地方の中のボジョレーという地名です。
そして”ヌーボー”とはフランス語で”新しい”と言う意味です。
つまりボジョレー・ヌーボーとは「フランスのボジョレー地区のぶどうを使った新酒のワイン」という意味を持っています。
ではこのワインの特徴を幾つかのポイントから見ていきましょう!
いつからあるお酒?
元々ボジョレー・ヌーボーはボジョレー地区の地酒として以前からあったお酒なのですが、1967年にフランス政府公認のお酒として認定されてから、フランス国内及び世界的に販売がスタートしました。
ボジョレー・ヌーボーが世界的に有名になったのはフランス人のジョルジョ・デュブッフさん(下を噛みそう、、、)の功績が大きいみたいです。
ちなみに”ジョルジョ・デュブッフ”と言う銘柄のボジョレー・ヌーボーもあります。
ボジョレー・ヌーボーと他のワインとの違いは?
ボジョレー・ヌーボーは他のワインに比べて幾つかの特徴があります。
■特徴その1 ”ぶどうの品種”
ボジョレー・ヌーボーのぶどうはガメイ(gamay)と言われるぶどうで、主にボジョレー地区で栽培されています。
また、ガメイの多くは熟成すると味が落ちてしまうため、ワインにしても早めに(2、3年以内)には飲んだほうが良いとされています。
そのため、新酒であるボジョレー・ヌーボーを作るには最適の品種というわけですね!
■特徴その2 ”製造方法”
一般的なワインはぶどうの実を粉砕しプレスするのに対し、ボジョレー・ヌーボーはぶどうをそのままステンレスの樽にどんどん入れていきます。
そうすると、先に入れたぶどうから徐々につぶれていき、発酵して炭酸ガスが出てきます。
その炭酸ガスが樽に充満することで、他の実も酵素によって糖の分解が起き、ワインが出来上がっていきます。
この手法をマセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸潤法)と言い、ボジョレー・ヌーボー特有の製造手法なのです。
■特徴その3 ”味”
ボジョレー・ヌーボーはその製法とガメイという品種のから作られることから、華やかな香りと豊かな酸味のワインです。
また、マセラシオン・カルボニックにより赤ワインの色合いが豊かな割には渋み(タンニン)が少なくまろやかな飲み口が特徴です。
また、熟成期間が非常に短いため比較的安価なこともあり、ビールのように毎日食卓でいただく”普段飲み”に非常に適しています。
私もボジョレー・ヌーボーは”飲みやすいワイン”だと思うので、ワインが苦手または飲んだことのない人はボジョレー・ヌーボーから挑戦してみるのも良いかもしれません^^
ボジョレー・ヌーボーが人気なのは日本だけ?
さて、ボジョレー・ヌーボーについて詳しくなったところで、なぜボジョレー・ヌーボーは日本だけこれほど評価されているのか?本題へ進みましょう!
まず、本当にボジョレー・ヌーボーは日本だけが人気なのでしょうか?
2012年のボジョレー・ヌーボーの輸入量を見てみましょう。
1位:日本 880万本
2位:アメリカ 220万本
アメリカは日本の人口の倍以上いるにも関わらず、輸入量は1/4です。
日本がいかにボジョレー・ヌーボーを飲んでいるのかがわかると思います。
では、なぜ日本人はこれほどボジョレー・ヌーボーが好きなのでしょうか?
人気の理由1 癖がなく、飲みやすい
まず第一に、ボジョレー・ヌーボーが飲みやすいワインであることです。
ワインはもともとヨーロッパで古くから親しまれてきたお酒で、日本人には文化的に真新しいものです。
昔から飲んできた味でもないので、日本人の口には合いづらいのは当然で、ワインが苦手な私の友人もたくさんいます。
特にワインの渋みが苦手な人が多い中、ボジョレー・ヌーボーはその渋みが少ないため、日本人には人気があると考えられます。
人気の理由2 大量消費に耐えられる生産量
いくら美味しいワインでも、希少でなかなか手に入らない品だとしたら、あまり一般的に普及しないですよね?
ボジョレー・ヌーボーはフランス国内のみならず、海外(主に日本)の大量消費に耐えられる生産量を確保できるため、日本全国どこでも購入できる親しみやすいワインの地位を確立しました。
人気の理由3 季節限定
人は”限定品”に弱いもの。
特に日本人は「限定」「今だけ!」といった言葉に敏感に反応します。
ボジョレー・ヌーボーはその年取れたぶどうをその年のうちにワインにした新酒なので、今年のボジョレー・ヌーボーは今年しか飲めません。
来年になると、またその年のぶどうの出来により、味が変わってしまいます。
”今しか飲めない限定感”が、間違いなく日本人の消費を後押ししているでしょう。
人気の理由4 関連企業の大々的なプロモーション
毎年11月になると、ニュースや企業CMでボジョレー・ヌーボーがテレビで何度も登場します。
何度も何度もテレビに登場することで
「ボジョレー・ヌーボーはそんなに身近なワインなのか」
「みんなが飲んでいるなら飲んでみよう」
と、ワインを普段飲んでいない人でも手に取りやすい環境をつくっているといえます。
また、毎年「ここ10年で最高」や「100年に一度の出来」などのキャッチフレーズがうたわれるのも風物詩となっていますね。
今年は「何年に一度の出来」になるのか、楽しみです(^^)
賢いボジョレー・ヌーボーの選び方
日本では大人気のボジョレー・ヌーボーですが、店頭に販売されているその種類や値段は実にさまざまで、
「どれを買えばいいの?」
と困惑してしまいますよね?
ましてや、普段ワインを飲まない人ならなおさらです。
そこで、あなたに合ったボジョレー・ヌーボーの選び方をご紹介します!
選び方その1 原産地呼称
まずボジョレー・ヌーボーにかぎらず、ワインには同じ名称のワインにも”等級”というものがあります。
要するにワインのグレードですね。
人それぞれ好みはありますが、一般的に等級が高いワインは美味しいけれど高い、低いワインはそれなりだけれども安い。
まあワインに限らず、何でもこんな感じですよね。
それで、ワインの等級は生産地の範囲が限定されればされるほど高くなります。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、日本のお米に例えて見てみましょう。
- 日本産コシヒカリ
- 新潟県産コシヒカリ
- 新潟県魚沼産コシヒカリ
これらのコシヒカリのうち、最もブランド力のある(ワインでいう等級が高い)米はどれでしょうか?
- 新潟県魚沼産コシヒカリ
- 新潟県産コシヒカリ
- 日本産コシヒカリ
こんな順番になるのではないでしょうか。
魚沼産コシヒカリは新潟県の”魚沼”という限定した地域のお米だからこそ、ブランド力があり、値段も高いわけです。
ワインもこれと同じです。ボジョレーの場合は、
-
Cru Beaujolais(クリュ・ボジョレー)
-
Beaujolais Villages(ボジョレーヴィラージュ)
-
Beaujolais Superieur(ボジョレーシュペリュール)
-
Beaujolais(ボジョレー)
これらの等級があり、上に行けばその分ブランド力が高くなり、生産地域が限定されます。
これらの等級の分類をAOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントローレ、原産地統制呼称
)といいます。
これらのAOCの中から自分が求める等級のボジョレー・ヌーボーを探してみてはいかがでしょうか?
ちなみに、AOCの見分け方は、ボジョレー・ヌーボーのラベルに書かれている
「Appelation ××××× Contrôlée」
と言う表記を見ます。
この”×××××”の部分に先程の”Beaujolais Superieur”や”Beaujolais Villages”が書かれており、これを見れば判断できますので、ぜひ試してみてください^^
選び方その2 毎年同じ生産地域のボジョレー・ヌーボーを飲み比べる
先程紹介したAOCはブランド力と言う意味でも分類も出来ますが、生産地域の分類でもあります。
一番下の等級のBeaujolais(ボジョレー)では生産地域はわかりませんが、Beaujolais Superieur(ボジョレーシュペリュール)以上だと、どのあたりで生産されたワインなのかが見えてきます。
そこで、毎年おなじ地域のボジョレー・ヌーボーを購入して飲み比べてみてはいかがでしょう?
その年の気温や湿度などの気候やぶどう農家さんの努力などで変わるその年のボジョレー・ヌーボーの味の違いをダイレクトに味わう事ができますよ!
自分だけのごひいきボジョレーを探してみては?
選び方その3 VV(ヴィエィユ・ヴィーニュ)
ボジョレー・ヌーボーのラベルを見ていると「VV(ヴィエィユ・ヴィーニュ)」と言う表記があるボトルがあります。
この「VV(ヴィエィユ・ヴィーニュ)」は”樹齢30年以上の木からつくられたワイン”を意味しています。
「古い木からできるワインをなぜわざわざラベル表記するの?」
と思うかもしれませんが、もちろん意味があります。
古い木というのは、若い木に比べて、地中深くまで根を張っています。
そのため、若い木では吸収できないようなミネラルや栄養素を取り込む事ができるのです。
その上、古い木は若い木に比べて、一本の木にできるぶどうの房の数が少ないのです。
そのため、一つ一つのぶどうに味が凝縮されます。
そんな木から作られたワインがVV(ヴィエィユ・ヴィーニュ)なのです。
VVと一般的なボジョレー・ヌーボーを飲み比べながら楽しむのもよいかもしれませんね!
いかがでしたでしょうか?
私なりにボジョレー・ヌーボーをまとめさせていただきましたが、
ワインの中の1つの銘柄にすぎないボジョレー・ヌーボーですが、これだけ歴史が詰まっているんだなあと改めてワインの奥深さに脱帽ですm(_ _)m
解禁日までに自分にピッタリのボジョレー・ヌーボーを見つけて、思いっきりボジョレー・ヌーボーを楽しみましょう^^
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